WIDEプロジェクトはオンラインカジノ対策を理由とする接続遮断措置(サイトブロッキング)について、以下を表明します。
・サイトブロッキングはグローバルなインターネット、及び、すべての社会産業活動に影響を及ぼすものであり、オンラインカジノ対策のための導入・実施に反対します。
・オンラインカジノに対する総合的な対策を進めるためには、官民の関係者間での連携・協力が必要であり、調査・検討・議論の場の形成に協力します。
インターネットは、各国の経済・行政・司法など、すべての社会産業活動を共通インフラとして支援する、グローバルな基盤です。かつ、インターネットは通信の制御を通信の当事者が行い、ネットワーク上のシステムは単純な中継・転送を行うという、エンドツーエンド原理が基本です。また、接続事業者におけるサイトブロッキングの実施は通信当事者の意思に反して通信の構成要素を知得・窃用するものであり、通信の秘密を侵害するおそれがあります。
オンラインカジノの問題は、看過し難いものと認識しています。しかし、サイトブロッキングは現在の技術において容易に回避可能であり、本質的な対策にはなりません。オンラインカジノ対策においては、教育・周知・啓発・連携・協力の推進を含む、総合的な対策を関係者全体で考える必要があります。
インターネットでは、マルチステークホルダーによるオープンな議論と合意により、全体の方針が決定されています。WIDEプロジェクトは、グローバルな関係者間でのオープンな議論と合意による持続的発展を実現するための有効な解決策がもたらされるよう希望し、かつ、最大限の努力を進めてまいります。
以上