信州松代ロイヤルホテル
2006年9月7日
2006年9月7日、WIDEキャンプに於いてWIDE賞が授与された。第十八回のWIDE賞は、DVTSの利用推進に貢献してきた杉浦一徳氏と、IPモビリティ環境の実現に貢献してきたNautilus6プロジェクトが受賞した。
杉浦 一徳 殿
貴殿は、WIDEプロジェクトの研究成果であるDVTSを、JGN2やINTEROP等での利用を促進すると共に、 国際的にもInternet2における DVTSWorkshopの開催、DMC/Global Studioの整備等を通じ、グローバルな研究者による利用を積極的に推進してきました。
これらの活動は、高精細ビデオ転送技術の基礎を作るとともに、WIDEプロジェクトにおける国際的な研究コラボレーションに大きく貢献してきました。
二〇〇六年 九月
WIDE Project 代表
村井 純
受賞者のコメント:慶應義塾大学 政策・メディア研究科専任講師 杉浦一徳
慶應義塾大学 政策・メディア研究科専任講師の杉浦一徳と申します。
この度は私DVTSプロジェクトの代表としてこのような賞を頂ける事が出来て大変恐縮に思っております。
このDVTSを通して、特にこの一年は、まだ前半なんですけれども、海外でこの研究を元に様々な応用のためのイベン トを行ったりですね、その準備、また多くの、Internet2ですとか他の海外の研究プロジェクトとコラボレーションを行ってきて、その結果としてこの ようなとても名誉ある賞を頂けたと思っております。
ただこのDVTSは、私一人で作り上げたものではなくて、多くのWIDEプロジェクトのメンバー、今もまだ活躍を続けていて、私よりもはるかに技術力のある方々が大勢いるんですけれども、その人たちの努力の固まりのようなもので出来上がっているわけです。
それは例えばプロトコルの標準化であったり、DVTSの応用をおこなったアプリケーションであったり、そういった多 くのアプリケーションの固まりと、またそれをセットアップする人たち、それを様々なインターネットを使ったイベントでセットアップをする、そのセットアッ プをする準備をする人々の協力の元で成り立ってきたものであります。
なのでその人たちへ敬意を表して、私もこれから先も今まで以上にこのDVTSプロジェクトを、そしてWIDEプロ ジェクトのために、より安定した、そして次世代に向かった、より高精細かつ高機能なメディア転送を可能とするシステムの開発というものを続けて参りますの で、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
貴チームは2003年4月以来 Mobile IPv6, NEMO Basic Supportの標準化ならびにその実装, FMIPv6の実装およびさまざまな実証実験を通じてIP Mobility環境実現のため尽力されました。
その活動は高く評価され 成果であるソフトウェアはモビリティに関する多くの研究活動において利用されています。
よってこれまでの活動成果を讃えるとともにより一層快適なIPモビリティ環境実現への貢献を期待しここにWIDE賞を贈呈します。
二〇〇六年 九月
WIDE Project 代表
村井 純
受賞者のコメント:株式会社インターネットイニシアティブ 島慶一
Nautilus6プロジェクトでチェアをやっている島慶一です。株式会社インターネットイニシアティブ所属です。 今回WIDE賞を受賞させていただきました。Nautilus6プロジェクトは何をしているかというと、IPv6のモビリティ技術を研究、そしてプロトコ ルの開発そして普及のための努力をしています。
Nautilus6は、今日は来ていないんですけれどもThierry Ernstというフランスの人が日本にいた頃に、彼はもともとモビリティのエリアで世界的にIPの技術を牽引している人なんですけれども、彼がモビリティ の技術の発展と普及をさせたいということで、WIDEプロジェクトの中で最初に活動を始めたわけですね。そこで彼の考え方に賛同した人たちが集まって Nautilus6プロジェクトを最初に立ち上げています。
元々の目的としては、IPv6のモビリティ技術を広めたいと、みんながIPv6モビリティを使うような世界を作りた いと思う最終的な目標を掲げて、活動してきましたし、まだ活動を続けています。その最終的なゴールに我々が達したかどうかというのは、僕らとしても実はま だ全然達していない。今回WIDE賞を頂いて、正直まだまだやる事が沢山あるのに、WIDE賞みたいな賞をもらっていいのかなという気がしたんですけれど も、たぶんこれは「おまえらここまでよくやったが、まだまだもっとがんばれ」という意味だと思っています。賞はありがたく頂きますが、これからも僕らもっ と頑張っていきたいと思っています。
Nautilus6プロジェクトという形で今回賞を頂いたんですけれども、Nautilus6プロジェクトはモビリ ティをやっていると言いましたけれども、単純にモビリティ技術だけをやって、現状の活動成果が出たわけではもちろんないです。モビリティの技術を構成する 要素はいっぱいあって、当然IPv6 のモビリティですからIPv6の技術というのはベースとしていります。いろんな通信プロトコルに言える事ですけれども、通信プロトコルだけがあるからと いって、ユーザーがそれで何か楽しい事が出来るわけではない。当然その下のサポートも必要であれば上のサポートも必要であると、そういう意味で我々が今回 賞をもらったんだけれども、僕らの成果というのはほんの一部だろうと僕は思ってます。その下を支えてくれたWIDEプロジェクトのいろんなプロトコル技術 の人々、上を支えてくれたアプリケーション技術の人々、あとそのオペレーショナルな部分、実際の運用の部分を支えてくれた人々との協力、すなわちWIDE プロジェクト全体の協力がなければ、今回僕らが受けた賞のような成果を出す事は出来なかったと、僕は思っています。
そういう意味でも、もちろんNautilus6プロジェクト内部の人たちにも僕もおめでとうと言いたいし、ありがと うと言いたいですけれども、それと同時にWIDEプロジェクトの方々、協力してくださった方々にもありがとうございましたと言いたいと思います。とにかく 今回WIDE賞をもらえまして、うれしいなと思っております。
受賞者のコメント:東京大学研究 ロマン・クンツ Romain Kuntz
東京大学研究員のロマンクンツです。2年半前の2004年に来日して以来、WIDEプロジェクトの中で、 Nautilus6のIPv6移動通信技術の研究、開発そして普及に従事してきました。WIDEプロジェクトは私にとってすばらしい環境です。というの も、WIDE研究会や合宿などの場を通じて、日頃の研究開発の成果発表するたくさんの機会に恵まれているからです。今日、この賞を頂けたということは、私 たちが続けてきた活動が正しかったという自信を与えてくれるものであり、とても嬉しく思います。また、これまで私たちを支えてきてくださった Nautilus6の皆さんのお力なしでは受賞できなかったと思いますし、本当に感謝致しております。ありがとうございました。
受賞者のコメント:東京大学研究員 アンドレ・マルタン Martin André
東京大学研究員のアンドレマルタンです。来日して半年ですが、2年前からフランスのルイ・パスツール大学で Nautilus6プロジェクトに携わってきました。私は主にIPv6、移動通信技術そしてシームレスハンドオーバー技術の研究開発を担当しています。今 は、人々がIPv6移動通信技術を簡単に利用するためのオペレーションサービスの研究開発と運用に注力しています。今、私はNautilus6プロジェク トの一員として活動していることを大変誇りに思っています。この賞は、Nautilus6にとって重大かつ大きな第一歩です。Nautilus6メンバー の皆様に感謝致しますとともに、このプロジェクトが、より広く知られ、また、私達やこの分野に学ぶ多くの生徒たちに自信を与えてくれることを希望致しま す。WIDE賞に選んでいただきありがとうございました。