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WIDE人 第4回 宇多 仁 さん

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Q:自己紹介をお願いします。

A:北陸先端科学技術大学院大学、博士後期課程にこの春まで在籍していまして、春から情報科学センターの助手をやることになっています、宇多仁です。よろしくおねがいします。

Q:どのような研究をしているのですか?

A:今まで、主にやってきた研究としては、マルチプロトコルラベルスイッチングという技術を使いまして、その技術をどういう風に使っていくかということから入っていったんですが、それを使ってどういうサービスがインターネット上で出来るかというようなことを、結構広く色々とやってきました。その実現できるサービスという意味では、普通MPLSというと、やはり一般に使われているものとしては、仮想専用線を提供するような技術として使われているのが、今のところほとんどなんですね。ところが、MPLSの特徴を見ていくと、トラフィックエンジニアリング、つまりトラフィックをより細やかに制御するということが可能になるので、そういう特徴を使って、例えばユーザーごとに、要求する品質がもちろん違うわけですから、それに合わせて、異なったサービス品質を提供する。例えば、まあ低い品質なら安く提供できるし、高品質なもの、例えば帯域を保証したようなしたようなサービスを提供できるようになる、というような新しいサービスのモデルみたいなことを色々と研究して検討してきました。

Q:その研究を始めたきっかけは?

A:最初、M1の頃に、ラベルスイッチングというのが出始めの頃だったんですが、WIDEの中でもラベルスイッチングの研究をされていた方々がいて、そのプロトタイプをWIDEの合宿で動かしてみようということをやっていて、そのお手伝いをしてからっていう形ですね。

Q:その研究は社会にどんな影響を与えますか?

A:今のインターネットのサービスというと、特に低価格のものを見てみると、ベストエフォートという名の下に、実際にはどれ位の品質が得られるのか分からない状態で、ユーザーが使っているような状態ですよね。それをサービスの品目を分かりやすくするっていうのもありますし、ユーザーが求めるサービスを、その求めに応じて、適切に提供できるような技術になると思います。

Q:具体的には?

A:例えば、何時間の間だけテレビを見たいから決まった帯域を保証してほしいとか、そういうようなサービスが実現出来るようになると思います。

Q:将来、どういうことを研究していきたいですか?

A:インターネットの網機能の高機能化っていうことで、先ほどのMPLSをメインにやってきたわけですが、もちろんそれだけではなくて、網の品質を保証するというか、高品質なものを提供するというともちろん帯域だけではないわけですね。そこで例えば、大きなものとして挙げられるのが、インターネットがインフラになってくると、「切れては困る、常に繋がっていて欲しい」というような要求ももちろん大きくなってくるので、「多くのユーザーを収容しているんだけれども、それぞれのユーザーが家へのインターネットの接続性を切れずに維持したい」と。そういうサービスとしてはどういうことが出来るか?そこでマルチホームであるとかそういうようなことも研究の中に入れてやってきています。

Q:これからインターネットに関わってくる人たちにアドバイスをお願いします?

A:WIDEって非常に特殊なというかいろんなことが出来る、特に学生から見ると何でも出来るという意味では非常に素晴らしいチャンスだと思いますね。合宿なんか見てみると、これだけ200人とか300人とかいる中で、そういう人が使っているネットワークを使って実験をしてみたりできる。もちろん大きな実験であるとか、合宿のネットワーク全体に関わるような実験をやると、トラブルを起こしてしまえば大変なことになるのですが、それだけ得られる成果というのも大きい。合宿とかそういう場を用いて、積極的に色々やって欲しいなと。
「インターネット使えなくて困るじゃないか」と怒鳴られてしまうかもしれないような実験とかも、積極的にやっていって欲しいなと思います。

Q:ありがとうございました。