ICAT NewsLetter Vol.3 part III 1997.12.1

 暗号・認証関連ニュース 


 今年は暗号に関するニュースが目白押しでした。ミュンヘンのIETFミーティング前後にIETF、RSA社、PGP社が関係する特許絡みのニュースが多くありました。アメリカでDiffie-Hellman(DH)の特許が9月に切れたせいもあって、S/MIMEやSSLの問題、PGPがDHを採用したことが発端になっているようです。

 次に暗号解読の話です。1月のRSAカンファレンスでRSA社がコンテストを主催してたのですが、ビット数の少ない暗号は次々と破られてきました。これらはすべてアメリカ政府が行っている輸出規制に反対するデモでしょう。アメリカはこういうパフォーマンスが得意ですね。


【暗号関連トピックス】

 6/20   56ビットDESが破られる。
 6/24   Netscapeが128ビット暗号鍵対応ソフトの輸出許可を取得  
 6/25   Microsoftが128ビット暗号鍵対応ソフトの輸出許可を取得
 7/ 4   独でマルチメディア法が成立 電子署名の法的有効性を認める
 7/ 5   RSA社暗号化技術「RC2」をIETFに提出
 7/12   56bitDES、パソコンで解読される
 7/15   ベリサイン、128ビット暗号IDの発行許可を取得
 7/23   日本RSA SET対応暗号ソフトを韓国ソウル銀等に供与
 8/11   大蔵省、オンライン・バンキングを規制する“機械化通達”を廃止
 8/28   IETFがRSA社に暗号技術の特許を公開を要求
 9/ 3   FBI長官が「暗号技術は政府の管理下におくべき」との見解を示す仏内務相、
暗号規制の緩和方針を示唆
 9/ 5   暗号化ソフトの規制強化提案に米主要IT企業が反発
 イリノイ大Bernstein氏、暗号輸出の裁判で勝訴
 9/10   Microsoft社オンライン・バンキング用暗号ソフトを配布
 9/11   S/MIMEでDSA/DHをデフォルトとする案浮上
 9/15   米政府、暗号に関する国際的取り決め違反として非難される
 日本法制審議会が“電子メール盗聴捜査”などの合法化を答申
 9/17   米でNetscape社のSSLの特許成立
 9/18   RSA社 PKCS #1、#7、#10をIntrnet-draft化
 Security Dynamics、128ビット暗号化ツールの輸出許可を取得
 9/23   RSA社S/MIMEのIntrnet-draft Revice
 9/24   米下院委員会、キーエスクローを盛り込んだ暗号法修正案を否決
 9/25   RSA S/MIMEの登録商標を放棄
 9/26   通産省の暗号製品の輸出規制緩和政策発表
 10/ 1  富士通など3社が電子認証の専門サービス会社を設立
 10/ 2  PGP社 ビジネス向けキーエスクロー暗号製品を発表
 10/ 7  RSA社 スプーフィング対策ソフトを無償提供
 10/10  Bruce Schneier氏S/MIMEの40ビットRC2を解読するスクリーン・セーバーを公開
 10/13  EC報告書 米国暗号政策を拒否
 10/19  RSA社 S/MIME I-D Revice提出
 10/22  56ビット RC5破られる
 RSA社 PKCS #1、#7、#10 I-D Revice
 10/27  仏、暗号の40ビットまでの使用制限を解除へ
 RSA社128ビット暗号製品の輸出許可取得
 11/ 7  DH/DSAをデフォルトのアルゴリズムをしたS/MIMEのI-D提出
 IETF Security AreaにS/MIME-WG設立

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Last modified : Tue Sep 8 15:21 JST 1998