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WIDE人 第2回 戸辺 論 さん

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Q.自己紹介をお願いします
戸辺論、奈良先端科学技術大学院というところの、ドクターの一回生に所属しています。

Q.今どんな研究をしていますか?
モバイルコンピューティングといったものが、今、非常に注目されているんですけれども、そのモバイルコンピューティングでは端末が動きながら通信するので、「端末がどこにいるのか?」といった位置情報が非常に重要になってくるんですね。
そこで「その位置情報をどうやって取得するか?」といったところで、GPSをはじめとする衛星測位システムが非常に重要なデバイスになるんですけれども、私の研究では、その衛星測位システムで位置を測位するときに、今までよりも精度を向上させようといったことを考えていて、そのために基準局と呼ばれるものをインターネットを使ってネットワーク化し、その基準局から情報を吸い上げ、その吸い上げた情報を処理して、今までよりも精度を向上させようといった研究をしています。

Q.この研究を始めたきっかけは?
元々私は車に乗るのが大好きで、今この世の中でその車の位置情報を知るときに、やはりGPSというのが非常に広く使われているんですけれども、でも現状では、そのGPSを使った測位の精度には限界があるんですね。
そこで、せっかく世界中どこででもそのGPSを使えば位置が分かるのに、その精度に物足りないものを感じたので、インターネットとGPSを使って、測位するときに精度の良い位置情報が得られないかな?と思って考え始めたのがきっかけです。

Q.どれくらいの成果が出ていますか?
今のところ、測位精度を向上させるための補正情報といった情報があるんですけれども、その情報をインターネット上に配置しているサーバーから提供することによって、その各端末はインターネットからその補正情報を受信して測位を行なうことによって、精度を2mであるとか、あるいはそれ以下であるような(あくまでもまだ検証段階なんですけれども)結果が出ています。

Q.2mくらいの精度で位置が分かると何が出来るんですか?
既に携帯電話のキャリアなんかでは提供されてはいるサービスではありますけれども、自分がいる場所のまわりには一体どういうものがあるかという、位置情報に依存した情報の提供といったものが可能になると思いますし、ゆくゆくもっと精度を上げていった場合を考えたときには、各端末が精密な位置情報と周りの情報とをそれぞれ持っている訳で、最終的にはその各端末が持っている情報と位置情報とをインターネットを使って吸い上げてやって処理することによって、プローブ情報システムなんてことを言われていますけれども、「町全体の様子がどんな感じになっているのか?」といったことを知ることが出来る世の中が想定できるかなと思っています。

Q.将来どういうことをしようと思っていますか?
元々私の研究としては端末の位置情報といったものがキーになっている訳ですけれども、その位置情報を知るために、今はGPSをはじめとする衛星測位システムを利用した手法というものを中心に考えているんですが、位置を知るためには今は様々なデバイスがある訳です。
それで、衛星測位システムだと、どうしても室内とか地下だと位置情報が取れなかったりするので、それを補完する意味で他にも様々なデバイスが、例えば、無線LANの基地局を利用する方法ですとか、あるいは無線タグなんかを利用する手法なんかもあるわけで、将来的にはその衛星測位システムだけではなくて、そうやって複数、様々に存在する位置検出デバイスといったものを統合的に扱って、シームレスにいつでもどこでも誰でも、自分の詳細な位置情報を知る世の中といったものを考えていきたいなと思っています。

Q.この研究が進んだ数年後の環境はどうなっていると予想しますか?
5年後、10年後という世の中を考えた場合には、もう既にGPSだけじゃなくて、他の衛星測位システムも既に運用状態に入っていると思うんですね。
そういった複数の衛星測位システムと他の衛星測位システム以外の位置情報デバイスといったものを複数組み合わせて、誰でもいつでも簡単に自分の位置情報といったものを手軽に知ることが出来る、自分の位置情報を知るといったことが当たり前の権利だと認識されているような世の中になっているんじゃないかなと想像しています。

Q.自分の位置が他人に知られてしまう可能性はありませんか?
そうですね。
もちろん自分の位置情報を簡単に知るということと、相手に知られてしまうといったことはどうしても背反する問題だとは考えているので、自分が「この人には知られても良いけれども、この人には自分の位置を知られたくないな」といったようなセキュリティーの問題も、精度の向上と平行して考えていくべき問題だと考えています。

Q.これからの夢と、興味を持っている若い人たちへ一言
これからも私は位置情報といったものにこだわって研究をしていきたいなと思っているんですけれども、是非とも若い皆さんには詳細な位置情報を使って「こんな遊びが出来る」とか、「こんなアプリケーションが考えられる」という、面白い奇抜なアイディアを出してもらって、一緒に研究をしていけたらなと思っています。

インタビュアー 砂原秀樹

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