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WIDE人

活発に研究に励むWIDEメンバーにフォーカスし紹介します。

WIDE人 第5回 佐藤 雅明さん

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Q: 自己紹介をお願いします。

A: 慶應義塾大学政策・メディア研究科の方で特別専任助手をしております、佐藤雅明と申します。

Q: どのような研究をしているのですか?

A: 基本的には移動体通信を専門に研究しているのですが、その中でも特にインターネット自動車プロジェクトと呼ばれているインターネットと自動車を繋げて、その上でいろんなことをしていこうというような研究をしています。

Q: その研究を始めたきっかけは?

A: 今は慶応大学の方で助手をやっているんですが、学生として一番初めに慶応大学に入ったときに、村井研究室とい うところが一番インターネットを研究している所だということで、非常に興味がありましたので参加したところ、そこへ初めてインターネット自動車という車が 来たんですね、インターネットに繋がる車だということで。それを見に行って、すごく車も大好きだったものですから、これはいいチャンスだなと思いまして、 それでインターネットと自動車と両方研究できるんだったら、これは楽しいだろうなと思いまして、この研究を始めたところ、どんどんはまってしまいまして、 そのまま学部のときからずっとやっています。

Q: 研究の成果が形として見えてきているんじゃないですか?

A: 一番最初から、「すべての車がインターネットに繋がったら色々楽しいことが出来るんじゃないか」と思いまし て、それでも最初は1台から始まったわけですけれども、1台から5台6台位に増えて、そこから12台位で初めて、今はプローブカーと呼ばれているんですけ れども、車のスピードとかワイパーとかを集めて、車の渋滞情報とか降雨情報を作るみたいなサービスを始めて、それで社会的な認知度も高くなりまして、その 次は約300台くらいで横浜で実証実験をしまして、その成果を認めて貰えて、最終的にはインターネット自動車プロジェクトとはまたちょっと別のプロジェク トなんですけれども、インターネットITSという、まあITSという自動車とか交通の情報化をターゲットにした研究として、大体2000台位の規模の実験 をすることが出来ました。やはり2000台位が繋がってくると、今までとはスケールの面でもクオリティの面でもかなり有効な情報が集められますし、またそ の自動車が移動していくことによって、様々なネットワークの環境が変わっていきますので、そういう移動体通信の研究という意味でも大変興味があるという か、とても面白い研究がこれからしていけるフィールドがやっと整ったなと感じています。

Q: 数が増えることによって、今までは想像できなかった事もあるのではないですか?

A: 一番最初に車がすべて繋がるといったときに考えたのは、アドレスが足りなくなるということだったんですけれど も、それ以外にも、台数が少なかったときにはその情報を信頼するしかなかったんですが、いろんな車が出てくると、その中で信頼性ですね、「どの車が出して くる情報が一番正しいのか?」または「情報を集めて提供するときにリアルタイム性を求められた時にはどのように処理をしていくか?」というところが、新し い研究課題として見えてくるところだと思います。

Q: そうすると益々アプリケーションよりの研究が多くなってくるように思うのですが?

A: 僕はインターネット自動車と一口にいっても研究分野は様々なものがありまして、自動車の中に直接コンピュータ を積んで情報を集めるわけですけれども、そのコンピュータに載せるOSから、インターネットにどのような通信メディアを使って繋げるかというメディアの研 究もありますし、今度その後に、通信の経路をですね、色々な複数の通信メディアを切り替わりながらもインターネット上の通信は接続したままにしておくとい うmobile IPのような、いまはnetwork mobilityというものもあるのですが、そういう技術を研究していくところ、そしてその上にいわゆるグリに代表されるような地理域情報を管理するとか という、他の新しい、もっと上のサービスをするための土台になるような、そういう普遍的なサービスもありますし、そしてその上にアプリケーションもあるの ですけれども、自分の一番興味のあるところはアプリケーションエリアでしたので、一番最初から「何か面白いアプリケーションが作れないかな」ということは ずっと考えていたのですが、やはり自動車の情報を自由に簡単に使えないと中々面白いアプリケーションは作れないだろうということで、やはりデータのアーキ テクチャに関して、修士位の時からずっとそこにフォーカスを当てまして、「データアディションモデル」と僕は呼んでいるのですが、車の中の情報というもの をすべて正規化したデータの辞書として持っていて、外からその辞書のフォーマットに基づいて自由に車から情報を取ってこれるという、そういうインター フェースを規定して、そのインターフェースに基づいて車の情報を収集するというような、そういうデータのアーキテクチャを考案して研究しております。

Q: 一般への広がりは?

A: このデータアーキテクチャを作ったときに、一番の研究のポイントは使ってもらえるもの、すべての車にそのアー キテクチャが搭載されないと意味がないところがありますから、そういう訳で普及とか標準化みたいなところもターゲットに入ってきまして、今インターネット ITSという2000台でやった研究が、そのまま産官学の共同のコンソーシアムのような形でプロジェクトが進んでおりますので、そちらの方でも標準化を進 めておりますし、またそのアイディアというかアーキテクチャの一部は、ISOという世界の国際標準を作っている団体の方に持っていって、そちらの方での標 準化というのも進めております。

Q: 標準化によってどうなりますか?

A: そうですね、一番最初に考案したデータ辞書では中々カバーできないような情報というものが、これからの車でど んどん取れてくると思うんです。今、データアーキテクチャに関するデータ辞書モデルというものは、ある程度アーキテクチャが固まってきましたが、今僕が一 番興味のあるところは、今度は車とか世界に点在するようなカメラ、そういう画像を集めて使うことによって、例えば渋滞の先頭の車が持っている画像を取って くれば、後ろにいる車も渋滞の原因が分かるとか、右折時にブラインドになっている車の接近とかを信号の上についているカメラですとか、あるいはトラックの 後方のカメラの画像を使うことによって、そのトラックをあたかも透視しているような感じで後ろの車を見ることが出来るというような、人間の視力とか聴力と かをインターネットを使って補強していけるという、そういうような世界を作る上でもデータ辞書のモデルというのは役に立つのではないかと思っているので、 そういうこともアーキテクチャ上で扱えるように発展させていければいいなと思っています。

Q: ダイレクトに反響が得られる世界っていうものも面白いですね。

A: そうですね、WIDEプロジェクトの面白いところの一つだと思うんですけれども、自分ひとりで研究していると そんなに大きなことって言うのも中々難しいと思うんですけれども、ここで自分でやりたいって思うといろんな人のサポートが得られて、すごく大きな反響や、 いろんなコメントをもらうことが出来るということで、非常にやりがいがあるといいますか、とても面白く研究することが出来ると思います。

Q: これからインターネットに関わってくる人たちに何かアドバイスをお願いします。

A: インターネット自動車というプロジェクトですと、下から上までというのを全部一人でやると、中々難しいと思う んですけれども、WIDEプロジェクトですと、それぞれに専門家とか一つ一つに非常に個性の強い人たちですけれども、エキスパートの方たちが沢山いますの で、自分がこういうことをやりたいと言った時に、そこ以外の部分をすべてバックアップしてくれるような体勢がWIDEプロジェクトにはあると思うんです。 そういうことなので、ぜひ自分がやりたいと思っていることが、こういうことが出来ないからといって実現できないといって諦めるのではなくて、「ぜひやりた い」と言えば、やりたいという力をバックアップしてくれるところだと思いますので、ぜひやりたいことを実現していって欲しいと思います。僕もそう在れれば いいなと思っていますが。

Q: ありがとうございました。


第4回 宇多 仁

第3回 櫻井 三子

第2回 戸辺 論

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