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完了したワーキンググループ


Lifeline

  • テーマ:インターネットをライフラインとして活用するための技術、システムの実装、および実用に向けての訓練実施
  • 代表:多田信彦、丸山太郎、井澤志充
  • 担当ボード:佐野晋
  • 活動期間:1997年9月-2001年3月
  • ホームページ:www.iaa.wide.ad.jp/index-j.html

「Lifeline W.G.」は、ライフラインとしてのインターネットをテーマに、インターネットを災害時の情報交換網として活用するための技術、システムの実装ついて研究 しています。 その成果の一つ、被災者の安否情報を登録、検索するための安否情報データベースシステム「IAA ( I Am Alive! ) 」の研究開発、被災地用情報端末の研究、頑健な情報配送機構の設計などを行っています。 また、実用に向け毎年1月17日に実施している実証実験に加え、台湾大地震、有珠山噴火、三宅島・神津島火山活動など、実際の災害でも運用され、確実に成 果をあげています。

[ c o n t e n t s ]

  • Lifeline Working Groupとは
  • Lifeline WGの目的
  • IAAシステムとは
  • 実績
  • 今後の課題

Lifeline Working Groupとは:

Lifeline Working Group(以下Lifeline WG)は、インターネットを電気、水道、ガスと同様のライフラインとして活用するための技術、システムの実装、及び実用に向けての訓練実施をテーマに活動 しています。
現在、大学、企業、政府研究機関の研究者や技術者ら100余人のメンバーで構成されており、I Am Alive(IAA)システム(安否情報データベースシステム)の研究開発・被災地用情報端末の研究・頑健な情報配送機構の設計などを行っています。
Lifeline WGは、1995年に起こった阪神淡路大震災をきっかけに発足しました。
当時、インターネットを利用した情報提供の有効性に対して世間の注目が集まりましたが、WIDEではインターネットに携わる立場から、むしろ情報伝達手段 として、インターネットが有効に活用されていないことに大きな衝撃を受けました。
これを機にLifeline WGは、「災害時におけるインターネットの活用を考え、実用に耐えるシステムの要件をあげ、実際に運用できるシステムを順次構築し、その実用性を検証す る。」ということを研究の概要として結成されました。
その後も、インターネットが電気、水道、ガスと同様にLifelineとして社会のインフラになることを前提に、今のインターネット技術に欠けているものや、既に実現可能な技術を見極めて行くため活動しています。

Lifeline WGの目的:

災害時における情報の収集、及び、公開の方法について

  • 災害時にインターネットをどう活用すべきか
  • 災害時にインターネットへの接続をどう確保するか
  • 災害時に役立つシステムの開発/運用/評価

IAAシステムとは:

地震などによる局地的な災害が起った場合、被災地に安否確認の電話が集中するといった状況が起こります。このような場合に、インターネットを利用して大量 の安否情報を効率的に流通させることで、迅速に被災地内の情報を被災地外に知らせることが可能となります。
Lifeline WGでは、災害時にインターネットをどのよう活用することができるのか、という観点から、様々な可能性を追求していますが、その研究の一環として、生存者 の情報も含めた大規模な安否情報をインターネット上の複数の組織で収集、蓄積し、その情報の検索サービスを提供するためのシステム「IAAシステム」を提 案しています。
各組織に設置されているデータベースは、組織間でデータを交換するしくみを用いて、全ての組織が同じデータを蓄積することができるようになっています。
2001年1月現在、以下に示す6ヶ所の組織でIAAシステムが稼働中です。

  • NSPIXP3
  • 岡山県高度情報化推進協議会(OKIX)
  • 小樽商科大学
  • 静岡大学
  • 東京大学
  • 北陸先端科学技術大学院大学

また、上記に加え、総務省通信総合研究所通信システム部非常時通信研究室(以下CRL)とも協力態勢をとっています。

実績:

阪神淡路大震災の翌年1996年1月17日に初めて被災者の安否を確認できるシステムをインターネット上で立ち上げ、災害訓練という形で実際にインター ネットユーザーに使用してもらいました。以降5年間、毎年1月17日に実施しており部分的には実用に至っています。
また、1998年と1999年には上記1月の災害訓練に加え、東京都が9月1日「防災の日」に行う防災訓練にも技術協力としてシステムを提供しています。
この防災訓練では、日常的にコンピュータを使わない人も含めた多くの人にシステムを利用してもらえるよう、ウェブ上で電話のプッシュボタンを操作できると か、FAXやimodeから登録できるといった、様々なインターフェースの開発も行っています。
インターネット災害訓練各回の訓練の概要は以下の通りです。
1996年/第1回インターネット災害訓練

  • IAAシステムによる安否情報登録/検索訓練
  • 衛星回線によるネットワークの修復訓練
  • IAAシステム稼働組織 (4拠点)

1997年/第2回インターネット災害訓練

  • IAAシステムによる安否情報登録/検索訓練
  • 公開実験(インターネットカー(日比谷公園))
  • IAAシステム稼働組織 (6拠点)

1998年/第3回インターネット災害訓練

  • IAAシステムによる安否情報登録/検索訓練
  • 公開実験(新潟会場・神戸会場)
  • 多くのユーザインタフェース(WWW、電話、FAXなど)
  • IAAシステム稼働組織 (3拠点)

1999年/第4回インターネット災害訓練

  • IAAシステムによる安否情報登録/検索訓練
  • 公開実験(神戸会場・明石会場・岡山会場)
  • 一括(バルク)登録インタフェース提供
  • IAAシステム稼働組織 (7拠点)

2000年/第5回インターネット災害訓練

  • IAAシステムによる安否情報登録/検索訓練
  • インターネット機能つき携帯電話用登録/検索インタフェース提供
  • CRL、高知工科大学による安否確認システムの運用
  • 公開実験(岡山会場)
  • IAAシステム稼働組織 (8拠点)

2001年/第6回インターネット災害訓練

  • IAAシステムによる安否情報登録/検索訓練
  • CRLによる安否確認システムの運用
  • IAAシステム稼働組織 (7拠点 (WIDE組織:6拠点 + CRL:1拠点))
  • FAXインターフェース用のボランティア参加システムの運用

今後の課題:

  • プロトコル
    大震災から6年経ち、その間にネットワークを利用した災害発生時の情報発信サイトが数多く存在しています。
    しかし、各情報サイト間の連携がとれていない現状では、自分が登録したサイトを関係者が見てくれているかわからない、という問題が起こっています。
    今後は、データベースシステムの通信プロトコルの標準化をすすめ、様々な組織が連携してどこのサイトで登録された情報でも検索できるように整備して行くことが重要な課題になります。この通信プロトコルについてもWIDE ProjectのLLDB (LifeLine DataBase)プロトコルを標準としようという動きがあります。
  • データベース
    情報量の問題では、仮に東京で災害が発生した場合を想定すると、都民100万人の情報を収容できるIAAシステムが必要になりますが、現在のシステムではまだ不可能です。WIDE Projectでは、より多くの情報を短時間で登録できて検索可能なシステムにするために、データ配送系については、データベース間の情報を共有するメカニズムで研究開発しており、これを普及させる仕組み作りに取り組んでいます。
  • 国際化
    使用環境についても、日本国内に限らず海外で発生した災害に対応する場合に問題になる、人名表記や家族の概念、各国の文化の違いや、言語(文字コード)の 違い、郵便番号といった国によって事情が異なる情報を考慮した仕組み作りが求められておりこれからの課題です。現在、様々な組織と連携をとりながら実際の 運用に耐えられるような、システムの研究開発を始めています。
  • システム運用
    災害時にだけ稼働させるようなシステムは実用的ではありません。日常的にコンピュータが使える状況を整え、確かな情報入手経路の確保とその周知の徹底を行うことが必要です。
    常に稼働しているシステムを実際に運用しながら安定性を確立し、いつでも利用してもらえるシステムを目指し定常運用という形で実験中です。
  • 研究機関WIDE Projectと行政の連携
    WIDE ProjectのLifeline WGは新たな仕組み作りを研究開発する機関という位置付けで活動していますが、周知やプライバシーなど我々だけでは処理しきれない問題もでてきています。 そこで、実務運用を行政や他の関係機関に任せ、WIDE Projectは研究機関として技術協力をするといった役割の分担も検討課題になっています。 情報ボランティアとの技術協力 安否情報は主に最初の4~5日間に必要な情報ですが、2週目以降必要になる、物資、医療、交通などの情報をサポートするためには、どのようなシステムが必 要か、といったことにも取り組んでいます。また、今後は実際の現場においても、情報ボランティアとして活動する人たちと、我々のようなシステムの開発、運 用に携わる人たちとの連携によって、より精度の高い情報提供を目指しています。
  • 他メディアとの連携
    コンピュータを使用することに対する期待が高まる中、1998年の1月17日と9月1日の災害訓練では、屋外で端末を使用した訓練も行いました。ほこりの 多い屋外での耐久性や液晶ディスプレーの視認性、電源の確保など、現在のコンピュータを被災地で使うにはまだ解決すべき問題があります。また、インター フェースについても、実際にコンピュータを日常的に使用していない方々から、操作において使い勝手が不十分という反応を得ました。
    インターネットはコンピュータ上でしか使えないと思っている人がまだほとんどですが、同じ情報をホームページやimode上で見ることができたり電話で聞 くことができる、といった体験を通してインターネットは様々なメディアを仲介できるインフラであることが一般的にも認知され始めています。今後、テレビ画 面を通じて同じように情報を扱う事ができるようになると、さらに一般の人々の認識も変わっていくと考えています。
    こうしたことを踏まえて、Lifeline WGは他のWGとの連携によりインターフェイスの改善や異なったメディア間での登録情報の互換性といった問題にも取り組んでいます。
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