プレスリリース
2005年11月22日
シアクアラ大学(インドネシア・アチェ州)への災害復興プロジェクト
~遠隔教育による大学復興のための支援活動開始~
学校法人慶應義塾常任理事
兼 慶應義塾大学環境情報学部教授
WIDE Project 代表
村井 純
慶應義塾大学とWIDEプロジェクト(※1)のサブ・プロジェクトであるSOI Asia (※2) は、昨年12月のスマトラ沖大地震によるインド洋大津波によって甚大な被害を受けた、インドネシア・スマトラ島アチェ州最大の国立大学であるシアクアラ大 学に対して、遠隔教育による復興支援活動を開始しました。慶應義塾大学およびバンドン工科大学等のインドネシアの SOI Asiaパートナー校との協力により、シアクアラ大学に衛星回線を使ったインターネット基盤と遠隔教育環境が構築され、シアクアラ大学は2005年11月 よりSOI Asia授業に参加しています。また、この環境により、通常のSOI Asiaで共有されている日本などからの英語による授業に加え、インドネシア国内の大学からの母国語による授業の共有が実現し、災害復興プロセスへ大きな 貢献を果たしていくことが期待されています。
慶應義塾大学は、2001年よりアジアの大学間教育協力の基盤としてSOI Asiaプロジェクトを推進し、衛星回線を利用したアジア広域インターネット基盤を構築してきました。2005年11月現在、アジアの11カ国20大学(※3)がパートナー校として参加し、高等教育共有のための環境を自律的に運営して、リアルタイム講義やアーカイブ講義の共有、その他のさまざまな教育プログラムを実施し、大学間の有意義な教育協力関係を築いてきました。
SOI Asiaプロジェクトでは、2004年12月26日に発生したスマトラ沖大地震によるインド洋大津波によって、パートナー国を含む多くのアジア地域が被災 したことを受け、2005年2月24日、パートナー校や慶應義塾大学、東北大学等と協力してシンポジウム「スマトラ沖大地震によるインド洋大津波:アジア の大学から世界へ ~ 今大学が果たすべき役割 ~」を開催し、災害復興のプロセスとして大学が災害の知見を次世代に残していくこと、また、大学教育の復興をグローバルに協力していくことの重要さを議論 しました(※4)。さらに、このシンポジウムを皮切りに、SOI Asiaプロジェクトは、2005年5月から地震・津波災害のさまざまな分野の専門家の協力を得て、津波に関する連続セミナーを開催しました(※5)。
一方、インドネシアのパートナー大学からは、スマトラ沖大地震とインド洋大津波により壊滅的な被害を受けたアチェ州のシアクアラ大学で、8学部、約 190名の教職員が命を落とし、授業を実施することができない状態が一ヶ月以上も続き、その後も教員不足が続いている状況が報告されました。復興支援対策 を検討していたインドネシア大学連合からは、大学教育環境の協力に成果をあげている SOI Asiaに対して大きな期待が寄せられました。
この状況を受け、SOI Asiaは2005年4月よりシアクアラ大学をパートナー校とし、インドネシアの各パートナー校と協力して、教育協力体制確立のための活動を行ってきまし た。そしてこの度、シアクアラ大学における衛星回線を使ったインターネット基盤と、それを利用したSOI Asia環境の構築が完了し、2005年11月より同大学からSOI Asia授業への参加が開始されました。環境の構築に当たっては、衛星回線の接続ポイントが用途に応じて切り替えられるよう設計を行い、通常のSOI Asiaで共有されているインドネシア国外からの英語による授業に加え、インドネシア国内のインドネシア語による授業が可能となりました。この環境を使う ことで、シアクアラ大学に設置したSOI Asia講義室は、インドネシア・ジャワ島にあるバンドン工科大学からの授業を常に共有できるようになり、2006年1月より授業の共有が開始される予定 です(図1)。
今後SOI Asiaは、この環境によって多くの授業が共有され、シアクアラ大学の教育体制の復興に直接的に貢献することを目指すとともに、この活動を通してインドネ シアの5つのパートナー校が、インドネシア全体の遠隔教育の推進役となるように、協力体制の強化とさらなる支援を続けていきます。
シアクラア大学からのメッセージ
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●インドネシアのパートナー校 / ●その他のSOI Asia パートナー
■ インドネシアの協力大学
ITB―バンドン工科大学 (インドネシア、ジャワ島西ジャワ州バンドン)
UNIBRAW―ブラビジャヤ大学 (インドネシア、ジャワ島東ジャワ州マラン)
UNHAS―ハサヌディン大学 (インドネシア、スラウェシ島南スラウェシ州マカッサル)
UNSRAT―サムラトランギ大学 (インドネシア、スラウェシ島北スラウェシ州メナド)
UNSYIAH―シアクアラ大学 (インドネシア、スマトラ島アチェ州バンダアチェ)
(※1) WIDEプロジェクト:http://www.wide.ad.jp/
Widely Integrated Distributed Environmentの略。代表は、学校法人慶應義塾常任理事 兼慶應義塾大学環境情報学部教授 村井純。インターネット技術に関する総合的で実践的な 研究開発を推進する産官学共同の研究開発コンソーシアムです。 1988年に設立し、現在、100社を超える企業および40校以上の学術組織が参画して、次世代インターネット技術に関する幅広い研究開発活動を展開して います。
(※2) SOI Asia:http://www.soi.wide.ad.jp/soi-asia/
SOIAsia(School on the Internet Asia Project)は、日本政府の各省庁のサポートを受け、WIDE プロジェクト・AI3 (Asian Internet Interconnection Initiatives) プロジェクト、慶應義塾大学、Asia-SEED Institute等が中心となって運営しています。担当研究員:慶應義塾大学 政策・メディア研究科 助教授 大川 恵子。
- バングラデシュ工科大学(バングラデシュ):2004年10月
- カンボジア工科大学(カンボジア):2004年10月
- ブラビジャヤ大学(インドネシア):2001年10月
- ハサヌディン大学(インドネシア):2001年10月
- バンドン工科大学(インドネシア):2001年10月
- サムラトランギ大学(インドネシア):2001年10月
- シアクアラ大学(インドネシア):2005年4月
- ラオス国立大学(ラオス):2001年10月
- アジア・ユース・フェローシッププログラム(マレーシア):2001年10月
- マレーシア科学大学 (マレーシア):2001年10月
- モンゴル科学技術大学(モンゴル):2004年10月
- ヤンゴンコンピュータ大学(ミャンマー):2001年10月
- トリブヴァン大学(ネパール):2004年10月
- フィリピン政府科学・技術省付属高等理工研究所(フィリピン):2001年10月
- サン・カルロス大学(フィリピン):2005年4月
- アジア工科大学院(タイ):2001年10月
- チュラチョームクラオ・ロイヤル・ミリタリー・アカデミー(タイ):2004年10月
- チュラロンコン大学 (タイ):2001年10月
- プリンス・オブ・ソンクラ大学 (タイ):2004年10月
- ベトナム情報技術研究所(ベトナム):2001年10月
- 慶應義塾大学:2001年10月
- 北陸先端科学技術大学院大学:2001年10月
- 東北大学農学部:2004年8月
- 東京海洋大学:2004年8月
(※4)SOI Asia シンポジウム
「スマトラ沖大地震によるインド洋大津波: アジアの大学から世界へ
~今大学が果たすべき役割」(2005年2月24日)
http://www.soi.wide.ad.jp/soi-asia/conference/tsunami/
(※5)SOI Asia特別セミナー:津波シリーズ ( 2005年5月~2006年1月 )
http://www.soi.wide.ad.jp/soi-asia/seminar/tsunami/
JSAT株式会社:http://www.jsat.net/
特定非営利活動法人 アジア科学教育経済発展機構(Asia SEED):http://www.asiaseed.org/
【本件に関するお問い合わせ先】
SOI Asia プロジェクト事務局
soi-asia@soi.wide.ad.jp
http://www.soi.wide.ad.jp/soi-asia/















