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プレスリリース

2004年10月20日

世界最長の10Gigabitイーサネットネットワークが東京とCERN研究所(在スイス) 間で、
米国、カナダ、オランダの研究ネットワーク連合により実現

WIDE Project
代表 村井 純
東京大学データレゼボワール/GRAPE-DRプロジェクト
教授 平木 敬

WIDE Project(代表:慶應義塾大学環境情報学部 教授 村井 純、本件責任者:東京大学情報基盤センター 助教授 加藤 朗)と、東京大学データレゼボワール/GRAPE-DRプロジェクト(東京大学大学院情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 コンピュータ科学講座 教授 平木 敬)は、米国、カナダ、オランダの研究ネットワーク連合と共同で下記の発表をいたします。

2004年10月19日 ─ 日本、カナダ、米国、オランダと CERN 研究所(スイス・ジュネーブ)の研究者が共同して、日本からスイスまでの世界最長の10 Gigabitイーサネット回線を構築し、東京大学に設置されたデータレゼボワールシステムから CERN 研究所に設置されたデータレゼボワールシステム間を接続しました。ネットワークの全長は約 18,500Km あり、17 のタイムゾーンを通過しています。

この国際協調プロジェクトは、研究と教育における国際ネットワーキングの世界を拡大し、新しい国際共同研究の基礎となるものです。今回実現したネットワークは、10Gigabit イーサネット WAN PHY 技術を用いることにより、東京大学の計算機を CERN 研究所の計算機とあたかも同一 LAN 上であるかのように接続を行っています。東京大学から WIDE Project が運用する T-LEX まで接続し、T-LEX から米国シアトルまでは Tyco Telecommunication が IEEAF に寄贈した回線が用いられ、Pacific Northwest Gigapop の機器に接続されました。シアトルからは、回線は CA*net4 の専用のラムダによってシカゴの StarLight まで運ばれた。StarLight では SURFnet のシカゴ─アムステルダム間のラムダ(※1)に接続されて、アムステルダムの NetherLight に接続されました。NetherLight と CERN 研究所の間は、SURFnet のアムステルダム─ジュネーブのラムダによって接続されています。
(※1)光多重通信の波長をラムダと呼び、ひとつの波長を専有する場合をラムダあるいはラムダネットワークと呼ぶ

このネットワークの構築には、Foundry Networks、Nortel Networks および Cisco Systems を含む様々なベンダのネットワーク機器が用いられました。この実験は、これらのベンダによる 10Gigabit イーサネット WAN PHY や、光を用いたSONET/SDH機器の相互運用による世界初めてのネットワーク構築です。

この 10Gigabit イーサネットは、東京大学のデータレゼボワール/GRAPE-DR プロジェクトにより、長距離高バンド幅ネットワークにおける大量データの TCP 通信の最適化研究やデータ共有システム研究に用いられます。CERN 研究所が現在建設中の LHC 加速器(Large Hadron Collider)を用いる ATLAS 実験において、東京大学は日本におけるデータ解析センターとして寄与する予定で、このような大量データの長距離転送は重要な意味を持つことになります。データ転送は東京大学と CERN 研究所にそれぞれ設置されたデータ共有システムであるデータレゼボワールシステムの間で行われました。Chelsio T110 10Gigabit イーサネットインタフェースカードを実装した2台のサーバ間で単一 TCP プロトコルを用い、イーサネット標準である 1500 バイトフレームを用いて平均 7.57Gbps のデータ転送を達成しています。

また、データレゼボワールシステムは、9 台の Xeon サーバをそれぞれ使用することにより、9Gbps のディスク間転送を達成しました。国際的なディスク間転送においては、この数字は以前は達成されていなかったものです。

このネットワーク実験は、現在構築中の GLIF (Global Lambda Integrated Facility) の協力とサポートによるものです。この実験の多くの参加者は GLIF にも参加しています。

この実験は、次の企業による機材の提供やサポートを得て実現されました:
Foundry Networks、Nortel Networks、Chelsio Communications、Cisco Systems, 物産ネットワークス、およびネットワンシステムズ。

また、本実験をサポートして頂いた EUプロジェクト ESTA (IST-2001-33182)、CERN OpenLAB、SARA、Global Crossing、Industry Canada、NTT コミュニケーションズ、東京大学情報基盤センター、および文部科学省科学技術振興調整費に感謝します。

発表原文は英文です。

関連資料関連資料: Tokyo-CERN 10Gigabit Ethernet WANPHY experiment [PDF File:3,355KB]
© University of Tokyo


■ 追記


■ 関係組織

  • CANARIE はカナダの先端インターネットの非営利組織で、次世代研究ネットワークやそのアプリケーション、サービスを促進しています。主要なメンバーや世界中の同様な組織との協調を促進することによって、CANARIE は技術革新と成長を促し、社会的、文化的、経済的な利点をカナダ国民にもたらすことに貢献します。CANARIE はカナダを先進ネットワークで世界のリーダと位置づけ、メンバーやプロジェクトパートナー、カナダ政府によってサポートされています。CANARIE はカナダの研究教育ネットワークである CA*net 4 の開発および運用を行っています。
    詳しくは http://www.canarie.ca/ をご覧下さい。
  • CERN 研究所は素粒子物理のヨーロッパの研究所で、基礎研究センターとして世界的に著名な研究所の一つで、LHC (Large Hadron Collider) 加速器を現在建設中です。LHC は、これまでで最も野心的な科学プロジェクトで、微小な粒子を正面衝突させることにより自然界の基本法則を解明しようとするものです。2007 年に稼働開始予定で、世界中の大学や研究所の約 7,000 人の研究者が、この加速器を利用して科学の最も根元的な疑問の幾つかに解答を与えようとしています。
    詳細は http://www.cern.ch/ をご覧下さい。
  • Pacific Northwest Gigapop はアメリカ北西部に於ける次世代インターネットの基盤で、アプリケーションの協調やテストベットであり、国際的な peering 交換地点である Pacific Wave を運用し、また WIDE Projectと協調して IEEAF 太平洋回線の運用を行っています。PNWGP と Pacific Wave は共に広帯域な国際および国内のネットワークを、ワシントン、アラスカ、アイダホ、モンタナ、オレゴンの各州や太平洋地域の大学や研究機関、先端的な R&D やニューメディア企業へと接続しています。
    詳細は http://www.pnw-gigapop.net/ をご覧下さい。
  • SURFnet はオランダの 150 を越える高等教育機関や研究所を接続しているネットワークの運用と開発を行っており、国際的な先端的な研究ネットワークの一つです。SURFnet は、オランダ通商産業省、教育機関、研究機関のプロジェクトである次世代ネットワーク Gigaport の実現に責任を持っており、国内の知識基盤の強化を図ります。光および IP ネットワークやグリッドはプロジェクトの主要な要素です。詳細は http://www.surfnet.nl/ をご覧下さい。
  • 東京大学データレゼボワール/GRAPE-DR プロジェクトは文部科学省科学技術振興調整費に基づいた研究プロジェクトで、科学技術データの国際的な共有システムの構築および天文学や物理学、生命科学 のシミュレーションを実施する高速計算エンジンの実現を目指しています。GRAPE-DR プロジェクトでは 2008年に 2PFLOPS の計算エンジンと数 10Gbps のネットワークを利用する国際的
    な研究基盤を構築します。詳細は
    http://data-reservoir.adm.s.u-tokyo.ac.jp/ および
    http://grape-dr.adm.s.u-tokyo.ac.jp/ をご覧下さい。
    連絡先は平木敬教授 <hiraki@is.s.u-tokyo.ac.jp> です。
  • WIDE Project は、インターネットに関連する各種技術の実践的な研究開発を行う研究プロジェクトであり、1988 年から活動を行っています。133 の企業と 11 の大学を含む他の沢山の組織と連携して、インターネットの様々な発展に寄与してきました。Root DNS サーバの一台である M.ROOT-SERVERS.NET の運用を 1997 年から行っており、また IEEAF 太平洋リンクのホストとしてT-LEX (http://www.t-lex.net/) の運用も行っております。詳細はhttp://www.wide.ad.jp/ をご覧下さい。連絡先は、E-mail: press@wide.ad.jp,Tel:0466-49-3618, Fax: 0466-49-3622です。
  • IEEAF (Internet Educational Equal Access Foundation) は通信帯域や機材の寄贈を受け、国際的な研究教育コミュニティに提供することを目的とした非営利組織です。IEEAF 太平洋回線は Tyco Telecom によって5年間の IRU として寄贈された二番目の 10Gbps の海底ケーブルによる回線です。最初の回線である IEEAF 大西洋リンクはニューヨークとオランダのグローニガンを接続しており、2002 年から運用されています。IEEAF の寄贈は現在 17 のタイムゾーンに跨っています。詳細は http://www.ieeaf.org/ を参照して下さい。
  • GLIF は先端的な科学技術の協力や発見のため、自発的に光ネットワークの資源や経験を共有するための研究所、組織、コンソーシムおよび各国の研究ネットワークからなる連合体で、SURFnet およびオランダのアムステルダム大学のリーダシップにより活動しています。詳細は http://www.glif.is/ をご覧下さい。

■ 本件に関する問い合わせ先

  • WIDE Project
    広報担当 石川 公子
    〒252-8520 神奈川県藤沢市遠藤5322 慶應義塾大学SFC 研究所
    TEL:0466-49-3618 FAX:0466-49-3622
    E-mail:press@wide.ad.jp

以上

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