japaneseenglish

news event

プレスリリース

2002年3月22日

School of Internetワーキンググループ 米国および国内複数大学とのマルチキャスト実証実験実施
~IPv6、マルチキャスト技術を利用した、多地点グローバル高品質授業を公開~

WIDEプロジェクト
代表 村井純

 WIDEプロジェクト注:1(代 表慶應義塾大学環境情報学部教授SFC研究所長村井純)のSOI (School of Internet) ワーキンググループは、世界中の学ぶ意欲のある人が、「いつでも、どこでも、誰でも」大学レベルの教育が受けられるインターネット基盤上の大学のあり方を 模索し、実証実験を行いながら研究活動を続けています。このたび、米国東海岸と国内関係大学の複数拠点を結んだ、マルチキャストの実験環境が整い、実証実 験を行うことになりました。

  SOIワーキンググループは、1997年よりインターネット上に「WIDE大学{注:2}」 を立ち上げ、それをSOI (School of Internet: ソイ) と称し、インターネット基盤上でのさまざまな新しい高等教育のあり方を模索し、実証実験を行いながら研究を続けてきました。2002年3月現在、 9,000人以上(半数以上が社会人)が学生としてSOIに登録しており、およそ1,100時間におよぶ授業のアーカイブを自らの学習に役立てています。
今回の実証実験は、これまでの一連の実験の集大成として、米国メリーランド州カレッジパークの富士通米国研究所所内にあるSOI東海岸スタジオにゲスト スピーカーをお招きして、国内の4つの大学(東京大学、奈良先端科学技術大学院大学、倉敷芸術科学大学、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)にいる学生とパ ネルディスカッションを行うという、多地点グローバル高品質授業の公開実験を、IPv6{注:3}、マルチキャスト技術などを利用して実現いたします。

  この実験では、 ゲストスピーカーを招く授業を複数の大学で共有していくというような、開かれた大学環境の構築に大きく貢献できる技術確立の第一歩として位置づけられるば かりでなく、Internet2、国内バックボーンにおける、新技術(IPv6、マルチキャストなど)の安定運用に向けての課題抽出に大きく貢献していき ます。

<SOIワーキンググループの活動>
SOIワーキンググループは、1997年に発足後、1998年には、グローバルな教育環境を構築することにもフォーカスし、日米間での共同授業、東京大 学・奈良先端科学技術大学院大学・慶應義塾大学の共同授業等、複数の大学と協力して、広帯域IPv6マルチキャストなどの次世代インターネット環境を利用 した高品質双方向の実験授業も行っています。さらに2000年には、オンデマンド授業に加えてリアルタイム授業の実験も開始しました。

2001年度には、デジタルビデオ品質の映像による授業がいつでも行える、次世代の遠隔スタジオの設置と体制を構築するため<SOIスタジオプロジェクト>を発足し、米国メリーランド州{注:4}と米国カリフォルニア州{注:5}にスタジオ拠点を設置して、2001年10月より実験授業を実施してまいりました。両スタジオは、米国のInternet2{注:6}が 運用しているネットワークAbilene、日米の高速ネットワーク、国内のWIDEバックボーンを利用して、国内のIPv6 高速インターネットに接続する大学であれば、自由に手軽に利用できるようになることを目的としています。現在は日本向けの授業を計画していますが、将来的 には世界の教育機関が共有財産として利用できるように発展させ、グローバルな教育環境の構築に貢献することを目指しています。なお本プロジェクトは、通 信・放送機構(TAO)および、独立行政法人通信総合研究所(CRL)の支援を受け、NTTコミュニケーションズ株式会社、米国のNTT MCL社、富士通米国研究所の協力によって実現しています。

また2001年4月からは、衛星を利用したインターネットを使うことにより、物理的に高速なケーブルの引きにくいアジア諸国の島々にも比較的広帯域なインターネット基盤を構築し、蓄積された講義の配信(アーカイブ授業{注:7}) およびリアルタイムの授業を行う<SOI-Asiaプロジェクト>を開始しています。アジアの国々に向けての講義の配信や蓄積がインターネットを通して自 由に行われるようになることで、各国における教員の人的資源不足、教育レベルの格差といった問題解決に貢献することを目指しています。同プロジェクトは、 経済産業省、CRL、JSAT株式会社からの支援を受け、Asia-SEED Institute、AI3{注:8}(Asian Internet Interconnection Initiatives) プロジェクト、北陸先端科学技術大学院大学と協力しています。

fig-01

脚注:
  1. 1988年(昭和63年)に、学術研究を目的として開始された、日本のインターネット研究プロジェクト。
  2. WIDEプロジェクトメンバーによる大学教育の実証実験を行っている。http://www.soi.wide.ad.jp/
  3. IPv6は、従来のプロトコル(IPv4)よりもはるかに広いアドレス空間を持ち、無限に近い数の多くの機器が接続できるプロトコルです。また、これまで以上にセキュリティやサービス品質の向上を図ることができます。1
  4. 米国メリーランド州メリーランドカレッジパーク: 富士通米国研究所内に設置
  5. 米国カリフォルニア州パロアルト: NTT MCLのパロアルトオフィス内に設置
  6. 米国で進められている次世代超高速インターネットプロジェクト
  7. 録画、蓄積された授業
  8. WIDEの研究グループの1つ。衛星によるインターネットでアジア各地を相互接続する研究。参加国・地域は日本、インドネシア、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ヴェトナム、スリランカ。

■ 本日(2002年3月22日)の実証実験

  • 接続地点と参加者
    • 米国東海岸スタジオ
      • 慶應義塾大学 村井純
      • 富士通米国研究所副社長 松尾和洋
      • メリーランド大学副学長 Don Reily
    • 倉敷芸術科学大学
    • 東京大学本郷キャンパス
    • 奈良先端科学技術大学院大学
    • 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス

  • 参加大学および協力サイト(順不同)

■ SOIプロジェクト協力組織(順不同)

■ SOIプロジェクト:http://www.soi.wide.ad.jp/

<本件に関するお問い合わせ先>
WIDEプロジェクト広報担当
メールアドレス:press@wide.ad.jp
URL : http://www.wide.ad.jp/
〒252-8520神奈川県藤沢市遠藤5322
慶應義塾大学SFC研究所内Δ棟N109
Tel: 0466-49-3618 / Fax: 0466-49-3622


参考資料:

  • NSPIXPリンク
  • SOIリンク
  • AIIIリンク
WIDE賞