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イベント

Internet Conference 2000

日時:平成12年11月1日(水)~2日(木)

場所:慶応義塾大学 矢上キャンパス

主催:
日本インターネット協会(IAJ)
日本ソフトウエア科学会インターネットテクノロジー研究会(JSS)
日本UNIXユーザ会(JUS)
WIDEプロジェクト(WIDE)

協賛:
サイバー関西プロジェクト情報処理学会
分散システム/インターネット運用技術研究会情報処理学会
モバイルコンピューテイングとワイヤレス通信研究会情報処理学会
高品質インターネット研究グループ情報処理学会
マルチメデイア通信と分散処理研究会電子情報通信学会
インターネット研究会電子情報通信学会
情報ネットワーク研究会日本学術振興会産学協力研究委員会
インターネット技術研究会

[ c o n t e n t s ]

インターネットコンファレンス2000について

平成12年11月1日(水)~2日(木)慶応義塾大学矢上キャンパスに於いて、インターネットコンファレンス2000が行われた。

会場

インターネットコンファレンスは1995年に初めて開催された。当時は、やっと一般のひとにもインターネットが認識されてきたところで、インターネット研 究者の発表の場は、情報処理学会のマルチメデイア通信と、分散処理研究会や電子情報通信学会の研究会などで、インターネットの技術について専門的に研究発 表する場はなかった。そこで、村井純教授がインターネットを主題としたコンファレンスをやっていこう、と提案したのがこのインターネットコンファレンスの 始まりである。
当初は、WIDE Project、日本UNIXユーザ会、日本ソフトウェア科学会インターネットテクノロジ研究会で共催していたが、一昨年より日本インターネット協会も加 わり4団体で共催している。

今年は論文発表、Work In Progress、デモ展示の3つの部門から構成され、論文発表ではインターネット応用やトラフィック制御、プロトコル技術などに関す る優れた論文が集まった。 投稿された論文を、新規性や有用性があるか、実用的なシステムを実現しているか、アイデアがきちんと実装あるいは評価されているか、何か新しい発見があっ たか、という観点から査読し16件の論文を採択した。 論文発表においては、発表自体に重点をおくReporting Resentationと、質疑 応答に重点をおくDiscussing Presentationを設けました。Work In Progressでは、現在進行中のホットな研究6件の発表があった。また、デモ展示は6件の出展があり、そのうち1件は論文発表に関するもの、2件は、 Work In Progressに関するものだった。 今年の論文賞には、WIDE Project / Lifeline Working Group の「IAAシステムの現状とその課題」/井澤志充(北陸先端科学技術大学院大学)の研究発表がみごとに輝いた。

各賞受賞論文

●論文賞
「IAAシステムの現状とその課題」/井澤志充(北陸先端科学技術大学院大学)

この論文は非常時における被災者情報提供システムであるIAAシステムについて、そのアーキテクチャ、設計ポリシ、実装、運用実績などを述べている。
システムの新規性はもとより、実際の災害での運用実績も述べられており、有用性も非常に高く評価でき、論文賞にふさわしいものであると判断した。 (インターネットコンファレンス2000 プログラム委員長 寺岡文男)

●プレゼンテーション賞
「認証局パッケージEasy Certの開発と評価」奥野琢人


●デモンストレーション賞
「インターネット携帯電話における音声品質保証方式」松岡保静(東京工業大学)

インタビュー

プログラム委員長に聞きました。 寺岡文男

こういう公開の場をつくって、一般のひとにも聞いてもらえる場所をつくろうじゃないかいう思いがひとつあります。
できればこのインタ-ネットコンファレンスを日本のインターネット研究のトップクラスに、「ここに来ればインターネットの技術動向がわかる」という場所にしていきたいのですが。

寺岡文男

Q. インターネットコンファレンスはどんな背景でいつから始まったのですか?

A. インターネットコンファレンスが始まったのは、1995年です。その当時、やっと普通のひとにインターネットが認識されるようになってきましたけれど、学会においてはインターネット専門の研究会はなく、インターネット研究者は、情報 処理学会のマルチメデイア通信と分散処理研究会やら、電子情報通信学会の研究会にいって発表していんです。そこで、インターネットを主題としたコンファレ ンスというのをやっていこうじゃないかと村井先生が言いはじめ、始まりました。最初は、このWIDE、JUS、JSSSTの3つの団体で共催し、一昨年か らIAJも、参加してきました。

Q. WIDE Projectとしてのインターネットコンファレンスの位置付けは?

A. WIDE Projectでも研究会があり、論文発表するんですけれど(WIDE Projectは各会社からの共同研究費で成り立っていることもあり、一応クローズな組織で)、研究成果を聞くひともWIDE Projectの会員でないとだめであるというこ とがあります。ところが、一般にサーキュレイトしないとそ論文を書くひとのモチベーションは下がるわけですね。。ですから、こういう公開の場をつくって、 一般のひとにも聞いてもらえる場所をつくろうじゃないかいう思いがひとつあります。そう言う意味では、WIDE Projectとしては、年に何回か行なっている研究会のひとつだという位置付けになってます。

Q. このコンファレンスでは、論文発表をしてディスカッションしていく進め方が特長的なのですが、はじめからこのスタイルだったんですか?

A. 最 初は普通のコンファレンス形式で、30分枠のReprting Resentationという形でした。ところが、やはり発表者にとっても有益なコメントが多くあり、それを生かしてゆくためにDiscussion Presentationを設け、発表を15分、後の15分を質疑応答というスタイルをつくりました。昨年から実施しているのですが、結構うまくいってい るかなと思ってます。これとは、別に、Work In Progressというセッションがあります。これは短い時間で発表するスタイルな ので、かえって内容が凝縮して聞いていて面白いですね。昨年は90分間に9件の発表があって、ぱんぱんといった具合に進行しました。今年は6件ですので、 昨年よりは少し時間があります。

Q. このコンファレンスは将来的にはどうなってゆくのでしょう?

A. で きればこのインタ-ネットコンファレンスを日本のインターネット研究のトッ プクラスに、「ここに来ればインターネットの技術動向がわかる」という場所にしていきたいのですが、まだちょっとそこまではいっていない気がします。その ためには、どうやって良い論文を集めるかが課題になってます。ここに投稿されたなかから良い論文を見つけて、ソフトや科学会のジャーナルに推薦するという こともおこなわれていますが、もっと良い仕組みをまだ思案中なんです。

Q. 他の学会でも「技術が先行して一般にはわかりにくい内容になっている」ことが話題になり、「技術をどこで活用してゆくのか」を明確にしつつ発表するということが留意されているみたいですがどうでしょう?

A. (こ のコンファレンスは)実用的な技術という観点でやっていきたいと思ってますので論文を査読し採択を決める基準ということで、単にアイデアを出すということ だけでなく、ちゃんと評価をしてほしいといっています。シミュレーションをしても良いし、実装しても良い。言いぱなしではなくて、評価をして実用的なんだ よということを示してほしい、ということです。やはり、議論だけで終わっているのも嫌だし、実用的な方にシフトできる技術ということを前提でやっていきた いです。他との連係ができる条件、蚊帳のなかに閉じこもってしまわないための線引きも必要ですが、といってあまりアプリケーションにのるとインターネット 技術から少し外れるので、そこは注意しています。

11/2/木曜日 オープニング

WIDE Project 代表 村井純

村井純

今では、インターネットということばも市民権を得てきましたが、このインター ネットコンファレンスは、インターネットの市民権がまだこれほどない時代に、 インターネットについての議論がちゃんとできる場所をつくろうとWIDE、JUS、JSSSTの三者で始めた経緯があります。

だいぶ昔になりますが、今回の会場の慶応の矢上台では、このキャンパスのなかのビルを全部繋ごう(イーサネットで)ということをはじめてやったところでたいへんなつかしい場所です。 コンピュータネットワークの研究、プロトコルスタッフの問題がありましたが、 その頃は、オペレーションチームのスタッフがプロトコルをつくってつなぐという研究をやっていました。 一方、コンピュータネットワークについて通信分野のひとと話しても電話のアー キテクチャーの話でしょうと言われますし、コンピュータサイエンスのひとと話をしても電話屋でやることだろうと言われる時代でもありました。 ともかく、学会のなかでコンピュータネットワークの研究を進めてゆくのはなかなか大変で、「表にでるとやばいからアングラでやりたまえ」と励まされたりと、苦労した覚えがあります。
やがて、「インタ-ネット」の市民権を得るようにするために、インターネットについて議論できるところをつくろうということでインターネットコンファレンスがはじめられたのです。

そうこうしているうちに、95年の流行語大賞に「インターネット」が選出され、インターネットについての本を岩波新書で書いていた私が受賞することになりました。その本のなかでは、インターネットについて、「デジタル情報をだれもが自由にやりとりができる環境で、その環境では、情報とか知識を共有して交換することができる」と書きました。

現在、国会で審議が進んでいる、IT基本法(高度情報ネットワーク社会推進基本法)の目的のなかに「高度情報ネットワーク社会とはデジタル情報をだれもが自由にやりとりできて知識や情報を共有し、発信し、受け取ることができる社会のこと。」と記されています。

「インタ-ネット」、「ネットワーク」ということばが法律で使われるのは始めてのことだそうですが、こうやって、「インタ-ネット」も市民権を得てしまうことになったわけです。

森総理が国会の所信表明のなかでIPv6とおっしゃたのでたいへん驚きましたけれどおかげで、IPv6という用語が新聞の一面に何度も出るようになりました。

むかしUNIXということばが新聞の片隅に載っただけでびっくりしていたのですから、だいぶ世の中も変わってきた、とあらためて感じた次第です。

このように、「インターネット」を含む法律までつくられるぐらい市民権が得られるようになりましたし、どの学会にもインターネットについての研究会ができるようになりました。

さて、私は、霞が関あたりの会議ではいつも言っているのですが、「インターネット」を支え得る社会とは、テクノロジーでできる社会ですから、テクノロジーをつくる人間がモチベーションをもって生きていけるようじゃなくちゃだめなんです、ということがあります。

そのためにも、私たちの研究活動がきちんとレビューされ、ディスカッションされること、新しい工夫や研究が評価されたり、怒られたりすることはとても大切なことです。
ところが、こういった会議がちゃんとあるのかというと、どうしても内容がちょっとぼろいということがありますね。いろいろな研究会学会で出てくるインターネットがらみというのは、やはり整理されてないんで、レビューするにしてもそのジャンルというか専門領域でかなり厳しい意見がでるということへの手当てがきちんとできていない気がします。

今回の論文集を見ますと重要な問題がいくつか出ていますので、こうしたコンファレンス「経験を積んだ人間がいて、そこに若いアイデアが出されるという緊張感のある会議」はどうしても必要と思います。

はじめにお話ししたように、このコンファレンスをつくったのはだいぶ前ですが、つくったのもそうした願いから作ったわけです。

いろいろな方々のご苦労があって開催できている会議でもありますし、ぜひぜひ、クオリティがますます上がってゆくと同時に、新しいアイデアをもったひとたちの非常に厳しい試練の場になるようになっていけばよいのじゃないかなと思います。

発表した方が飛び立ってゆくための努力を続けていただきたいということで、たいへん大きな使命感を私たちはこのコンファレンスにもってますけど、みなさんの活発な参加でこれを育ててゆきたいというふうにお願いをすることで私からのご挨拶とさせていただきたい思います。

ありがとうございました。

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