WIDE

理 念

進化するネットワークを、ネットワークで動かします。

インターネット技術は、普及と高速化の時代から質的進化の時代へとシフトしています。さまざまな形態の情報をあらゆる場面でやりとりできる、多様な環境が現実のものとなりつつあります。その一方で、生活に深く根差した社会基盤としての信頼性がいっそう強く求められるようになりました。誰もがどんな場面でも、安心して利用できるDependable Internetの構築。途方もなく大きなこの課題に取り組むためには、世界規模でのR&Dの連携が欠かせません。情報技術研究ネットワーク「WIDEプロジェクト」の活動意義は、そこにあります。

【基本理念】技術を社会に繋げます。

WIDEプロジェクトの基本理念は「地球上のコンピュータやあらゆる機器を接続し、人や社会の役に立つ分散システムを構築する。そのために必要な課題と問題点を追求する」こと。プロジェクトがスタートした1988年から、ネットワーク技術がめざましい発展を遂げた現在に至るまで、この理念は変わりません。医療、経済、教育、法律など、社会の多様な分野に貢献できる、公共性の高い情報インフラの構築をめざします。

【研究領域】技術と技術を繋げます。

たとえるなら、WIDEプロジェクトの研究は、物理層という土壌に多様な草木を育む水です。表には見えませんが、活動成果はネットワーク環境のあらゆる側面に潜在・浸透しています。アジア太平洋地域の根幹を成すM Root DNSサーバの運用や、世界に先駆けたIPv6への取り組みもその一例。一企業や大学などといった組織の枠を超え、多岐に渡る分野を網羅する複合的研究ネットワークでなければ成しえない領域を扱っています。

【研究体制】研究者と研究者を繋げます。

WIDEプロジェクトは、企業や大学など100を超える団体が参加する、ゆるやかな組織で成り立っています。近年では日本だけでなく世界中から730余名のプロジェクトメンバーが集い、テーマごとにワーキンググループを組んで活動しています。遠く離れたメンバー間を結ぶのが、共同研究基盤「WIDE Internet」。実験・実証を行ないながら運用し、メンバー同士の情報共有や議論の場を日常的に提供しています。