Title: IDEON-WG 2013年活動報告 Author(s): 斉藤 賢爾 (ks91@sfc.wide.ad.jp), 土井 裕介 (doi@sfc.wide.ad.jp) Date: 2013-12-31 本ドキュメントは、IDEON-WG の2013年活動報告である。 1. はじめに IDEON は、Integrated Distributed Environment with Overlay Network の略で あり、オーバーレイネットワークによる自律分散環境の研究を行っている。 研究が社会で役立つのは、それによるイノベーションが実際に起きるときであ る。オーバーレイネットワークは、基本的に、ネットワークを応用するためには 必ず形成する必要があり、その研究開発が適用可能な領域は多岐に渡る。IDEON の仲間たちは、オーバーレイネットワークの基礎技術から個別のアプリケーショ ン層まで幅広い研究活動を行ってきた。 2. 2013年の活動 2013年は、IDEON のメンバそれぞれが、これまでの研究成果を礎として、新たな 領域へと活動を広げていく黎明的な時期にあった。 そんな中、デジタル通貨 (デジタル技術により創られたオルタナティヴ通貨) の 一種であるビットコイン (Bitcoin) が、いわゆるリアルマネーとの交換レート におけるその急激な価格上昇に伴い、にわかに社会の注目を浴びることになっ た。IDEON-WG はその設立 (2002年) の当初からデジタル通貨の研究を続けてお り、その10年以上の研究の蓄積から、現在のビットコインの言わば狂騒に対し て、発言すべき内容を持っている。そこでこの報告では、次節にてビットコイン の概要を解説し、その誕生と設計の背景を探るとともに、技術とポリシーの統合 的観点から問題点をまとめることにした。 3. ビットコイン ─ 人間不在のデジタル巨石貨幣 wide-tr-ideon-bitcoin2013-00.pdf を参照。 4. おわりに 社会が大きく、しかし社会的な速度で (つまりゆっくりと) 相転移を迎えようと している今、IDEON の活動が貢献できる場面は多岐にわたると考えられる。ビッ トコインの普及により新たな局面を迎えた P2P と経済に関する課題はその一例 である。 今後も、統合分散環境の構築技術により社会に貢献できる道を様々な方面で探っ ていきたい。 -以上-