Title: Medicri WGの2013年度活動概要 Author(s): 奥村 貴史 (taka@wide.ad.jp) 前田 貴匡 (wilodp32@gmail.com) 中河 清博 (gacha@wide.ad.jp) Date: 2013-12-15 * はじめに Medicri (Medical Crisis) WGは、2010年4月より活動している、医療崩壊問題 や災害医療に対する情報技術の寄与について検討するワーキンググループであ る。設立以降、医療の情報化を担う人材育成、WIDEプロジェクトにおける医療 系問題の啓発活動、健康危機管理における情報技術の観点からの支援等を行っ て来た。今年度も、医療の情報化を担う人材育成企画を中心に活動を行った。 * 人材育成 医療崩壊の背景にある医療従事者の労働環境を改善していく上では、医療用 情報システムの品質向上が求められる。そのためには、医療と情報の双方に 通じた人材の育成が欠かせないが、わが国には、「医療情報技師」という実 務者の養成制度はあるものの、医療の情報化における研究開発を担う人材育 成のための枠組みがほとんどない。そこで、WIDEプロジェクトにおける啓発 活動の一環として、「情報系学生のための医学概論」と称する情報系人材に 対する医学教育を継続して行った。 * 災害への対応 災害医療への貢献としては、保健医療行政における危機管理用情報システム に対する技術支援を継続して行った。また、防衛、災害派遣方面の医療用情 報システムについて関係者との情報交換を重ねている。今後、震災時に生じ た混乱の反省を生かし、状況の改善に取り組んで行きたい。 * 医療従事者からのフィードバック収集 本WGの設立趣意書に記されている医療従事者からのフィードバック取得体制 の構築に向け、高性能な「診断支援システム」を公的な枠組みでインターネッ ト上に公開し、そのユーザーグループをWGが運営する手法について準備を進 めた。 * おわりに 今年度は、WG設立から4年目となる。医療崩壊問題への対応や災害医療への 支援に際しては、人材の少なさからくる制約が少なくない。今後は、WG活動 を広報していくことにより、より多くのWIDEメンバーからの支援を頂きなが ら進められるような工夫が求められる。また、昨年度のような医療の情報化 を担う人材育成のためのワークショップの開催により、継続的な人材育成が 望ましい。来年度も、より大きな研究予算の獲得等を通じて、研究教育活動 を拡大を図りたい。